Act.26 Side Ryohei #2

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「ありがとうございます」 有坂勇太郎に深く頭を下げた俺は、看護師に連れられ小雪が横たわるベッドへと足を進めた。 ただでさえ色白な小雪の顔が、やけに白く見えて……泣きたくなる。 半年ぶりに見た小雪は大きなお腹と、ほんの少しだけ顔つきが丸くなっていた。 昏睡状態でありながらも、その顔つきはもうすっかり母親で。 彼女がこの半年間、どんな思いで生きて来たのか考えるだけで胸が痛くなった。 「もしもまた痙攣が起きたらすぐに呼んで下さい」 先生に言われ俺は「はい」と返事をしてから彼女の手を握りしめる。 そして柔らかな髪を優しく撫でながら彼女の名を呼んだ。 「小雪……」
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