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そんな俺を追い込むかのように、梛音は誘いの文句を言い連ねては俺の耳をくすぐる。
「僕はね『タチ』だろうが『ネコ』だろうが、どっちでも構わないんだ。僕のカラダを使って憐がイイ気持ちになってくれたってだけで、僕は天にも昇る気持ちになれるよ」
梛音の手が俺の手のひらを包み込むように、重ね合わされた。
思わず、びくりと反応してしまう。
自分のある一部に、どうしようもなく熱が溜まってゆくのを俺は感じた。
男同士だとか、ここが公共の場だという事など、もうどうでも良くなりそうで、俺はあたふたとしてしまう。下半身の熱をどうにかして逃すために、俺は深く息を吐き出した。
けれども梛音はそんな俺を見逃してはくれないようだ。まるで机の下の俺の変化を見透かしているかのように、熱い視線を送ってくる。
「ああっ、『タチ』ってのはねぇ、自分のナニを相手のお尻の穴に突っ込んじゃう方の事でぇ、『ネコ』ってのはねぇ…」
「っ、待てっ!」
まだまだ楽しそうにゲイセックスを語ろうとする梛音を、俺は必死に押し留める。
「頼むから、場所を考えてくれ。そして俺を巻き込むな。」
「えー残念。今日から『脱、お友達作戦』を始めようと思ったのに~」
おいおい、楽しむなよ……。
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