時計仕掛けの体温計

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たのむからもう眠りの邪魔はしないでくれ 私は目をつぶり布団へ潜った 身体中から汗が大量に吹き出していく よし!このまま朝まで眠って治そう 翌朝熱はすっかり下がり私はシャワーを浴びて元気に会社へ出勤した 何時も通り電車に乗り読書を始めた 因みに私の読書とはお経だ 私の職業は死神 しかしあの世へ向かうこの電車になぜ死神の私と死んだ人々が一緒に乗るのか 潔癖症の私には不満だ 帰りの電車とは死なずにすんだ人々がこの世へ向かって乗る電車 私はこの後会社で再び熱が上がり倒れた そして帰りの電車には乗る事はなかった 死神の死だ
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