時計仕掛けの時計

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ガチャ!ギィ… ドアを開けると若い女が腕を組んで立っていた 「約束の漫画は?」 明らかに男よりも年下のその女は男の事を見下した態度で尋ねた 「たった今書き終えました!」 男はその女に敬語で話す 「じゃあ見せなさいよ!はやくっ!」 「あ、はい!わかりました」 男は急いで机の上の原稿を取りに行った 「どうぞ、読んで下さい」 手渡された漫画の原稿を女はパラパラとめくり目を通す 「よし!オッケー」 若い女は腕に下げたブランド物のカバンの中に原稿を入れた 「それじゃあ部屋の中へどうぞ」 男はその女を部屋の中へと招いた 「さっさとシャワーあびてきなさいよ!」 女は眉間に皺を寄せた 「あ、はい…わかりました」 男は浴槽へ走り一ヶ月ぶりに身体を洗う そしてその後二人は寝室で激しく絡み合った 男はこの瞬間の為だけに彼女へ漫画を書き続けている 漫画家として天才的才能の持ち主の彼は女の優秀なゴーストだった
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