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「金は」
男は低い声を出した。
「貴様らを斬ったあとにもらう」
最悪だ。
これは辻斬りの上に強盗だ。
若い手代ののどからかすかな細い悲鳴が洩れる。
辻斬りで強盗の男は刀を振り上げた。
「待てェッ!」
男の背後から声がかけられた。暗い道の彼方から猛烈な勢いで走ってくるものがいる。
早い。
あっという間に辻斬りの後ろまでやってくると、その腰から銀色の光が走った。
ガキンッ!
辻斬りはかろうじてその太刀を受けたが、そのままはねとばされて壁にぶつかった。
手元を見ると、刀が柄から五寸残したところで折れてしまっている。
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