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「いい加減にしろ!」
怒号と同時に要さんの身体が後ろに飛んで、長テーブルにぶつかった。
衝撃でテーブルの上のお湯呑が跳ねて、畳に転がる。
暁さんが人を殴るのを、初めて目の前ではっきりと見た。
以前、店長から助けてくれた時は、振り向いたらもう店長は転がっていたし。
頬を殴られた要さんからはいつもの穏やかな笑顔が消えて、暁さんを睨んでいた。
「うわあああん!」
すぐ近くで見てしまった萌々香ちゃんの泣き声が、少し遅れて響き渡る。
暁さんを止めなければと背中に近づこうとしていたけれど、その泣き声に慌てて振り向き萌々香ちゃんを抱きしめた。
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