「話はした。どんな理由があったって仕事を放り出していい理由になるとは思えんけどな」
「それは……もちろんそうだけど」
「だろ」
「けど、正論過ぎるのも、要さんを追い詰めることにもなるんじゃないの?」
そう言うと、彼はぐっと押し黙る。
どんな話し方をしたのかまではわからないけど、要さんにだって今日に至るまでの何某かの理由や、思いがあったはずだ。
それをちゃんと、聞いてあげられたのだろうか、不安だった。
本当は暁さんだって、要さんを心配してのことだろうに。
暁さんが、どう思って今まで来たのかも、要さんに伝わってないかもしれない。
互いを理解できないまますれ違うのは、哀しいと思う。
せっかく、兄弟なんだから。
一人っ子の私からしたら、とても羨ましい関係なのに。
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