番外編  出張    #2

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番外編  出張    #2

「ふたりの仲を公にできなかったり、クリアしなければならないことがあったり。 そのうちやりたいことも出てきちゃって大変でした。 一番は私の親に反対されたことかなぁ。 でも結婚がゴールじゃなかったから、乗り越えたそのひとつひとつは大事な糧になりました」 そう笑う花さんはひとつも苦労なんかしてないような様子で飄々として見えた。 『結婚がゴールじゃない』 幸せそうに見えた二人も当時はそれなりに葛藤があって、それをのり越えたからこその今の生活なのかもしれない。 深い。深いなぁ、結婚て。 好きだけで突っ走ってできるもんじゃないんだな。 「下川さんは結婚したいお相手がいらっしゃるんですか」 「はぁ……、まぁ」 なんとも曖昧な返事。 あれだけの勢いで話しかけたくせに情けない。 しっかりしろ、詩子。
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