第1章

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     あやちゃんの裏剣で起こされた後、しばらくボーッとしていたが、喉の渇きにベッドを出て、狭いながらもリビングに行き、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り、一気に流しこんだ。  「はぁ…」  ソファーに座り、テレビをつける。週末の普段と違うアナウンサーの天気予報をききながら、今更目の痛みに気づいて、洗面所に向かった。  鏡に映った自分の顔みて、  「なんじこりゃあ~!!!!!」 と、叫んでしまった。目は、泣いたからか飲んだからかパンパンに腫れ、涙が流れた頬はガサガサだった。浮気されたうえに、自分の顔まで不細工にされた気がしてバカ男に怒りが湧いてきた。  慌てて、冷たい水で顔を洗ってリビングに戻って冷凍庫からアイスノンを出して冷やす。ソファーに寝転んでいると  「先輩、おはようございます~」  と、あやちゃんがリビングに入ってきた。  「あっ、おはよう~!ミネラルウォーター飲む?」  と、言いながら冷蔵庫から取り出した水を渡すと、ギョッと私をみて  「先輩…目酷いですね!!」 っと突っ込まれた。  「ていうか、何であやちゃんいつも通りなのよ?」  いつもと同じ、陶器のような素肌にスッピンでもクリクリの目はいつも通りだ。    「先輩が寝た後でお風呂いただいたんで、蒸しタオルしてその後アイスノンして寝たからですよ~!」  と、女子力MAXの答えが返ってきた。私にはそういう女としての努力が足りなかったから浮気されたのかなんてネガティブなことを考えてるのがバレたのか  「先輩は、目が腫れてても充分綺麗ですから!!」    なんて優しいフォローを入れてくれるから、ありがとね~なんて照れていたら、ったく…無自覚なんだからとあやちゃんがブツブツ怒っていたのを気づかずに、そのまま台所に行って、遅めの朝ご飯の準備に取りかかった。  
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