第1章

11/57
前へ
/61ページ
次へ
 その後、お休みなのでずっと先輩のそばにいますと言い張るあやちゃんを、親御さんも心配するし用事があるからと宥めて近くの駅まで送って行った。  用事なんて、いつも淳也の休みに合うよう土日は空けてたし、仕事も家には持ち込めないのを知ってるあやちゃんにはバレバレだったかもしれないが、昨日散々泣いて、話を聞いてくれて、充分過ぎるほどあやちゃんに甘えたのだ。これ以上先輩として迷惑はかけられない。  でも、あやちゃんが昨夜いてくれて良かった。たぶん独りじゃ泣けなかったし、心が耐えれなかったかもしれない。  「今日から、独りか…」  ポツリ呟いて、駅からの家路を歩いた。
/61ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加