第1章

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 週明けの月曜日は忙しかった。先週末に繰り越した仕事を片付け、会議でいわれていた資料作りに後輩の書類のチェックと、今の私には考える時間がなくて済むこの忙しさが有り難かった。  気が付けば、お昼をとっくに過ぎて 14時を回っていた。  んんっーと両腕を伸ばしていると  「主任、お昼ご飯大丈夫ですか?」  と、後輩の松岡君が声をかけてくれた。このまま休憩せずにいたら気を使わせると思い、  「じゃあ、ちょっと休憩もらうね~」  と、席を立った。  そう言えば、朝から携帯も見てないなと思いながら、部屋を出て自販機のある休憩室に向かった。  カップのカフェオレを飲みながら、携帯をみる。ラインにあやちゃんからヘンテコなスタンプが鬼のようにきていた。  「何このキモいの?!」  あれからあやちゃんは、心配なのか毎日メールをくれる。ただ、あの事には触れず、こうやってキモカワイイのか解らないスタンプやメッセージを送ってきてくれるのだ。  「キモいぞっと…」  送るメールを口に出しながら、あやちゃんに返信する。    「クックック…」  と、突然自販機の陰から笑い声が聞こえた!  確か、自販機の向こうのスペースにも椅子があったような…。  すっかり休憩時間もズレていたので、人がいるとは思わず、大きな独り言を聞かれてたかと思うと、恥ずかしくて顔が真っ赤になった。  
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