第1章

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 「そうか…じゃあ、今週末にまた本社で…   昼飯、食べろよ!   お疲れ様」  と私の右手を指差して、向井部長は休憩室を出て行こうとしたので、  「お疲れ様でした!!」  と、あわてて挨拶した。  初めて話したのと、あやちゃん情報によると出世街道まっしぐらの向井部長は、社内でも狙っている女子社員が多いらしいのだが、全て断り、さらに女子社員とはほとんど口をきかないと聞いていたので、今の出来事があまりにイメージと違っていたので、向井部長の出て行ったガラス扉をしばらくボーッと見つめてしまった。  「なんか…イメージ違った…」  ものすごく冷たい人だと思っていたので、ちょっとドキッとしてしまった。  たぶん失恋で心が弱ってるんだと思い直し、右手にあるカフェオレを飲み干した。  「さーて、もう一仕事頑張りますか~」  気合いを入れなおし、デスクへと戻った。
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