第1章

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 パシッ! 「いったぁー」    鼻先の痛みに勢い良く起き上がった。途端に激しい頭痛と胸のムカムカで勢い良く起き上がった自分に後悔した。  「あれ?なんであやちゃん?」  私のベッドの中央を占拠しているのは4歳下の後輩、鳴海綾香。私のお腹に手が乗ってるってことはあやちゃんの裏剣が顔面に炸裂したんだと容易に想像できた。    「あっ…そっか…昨日…」  昨夜のことを思い出し、あやちゃんの気遣いに、昨夜散々泣いて枯れたと思った涙が頬を濡らした。  昨日は急に本社で会議が入った。  大手と言われる会社に就職したのが5年前、今年6年目だ。四大を卒業して男性8割以上の内定の中まぐれで受かった。同期の男子に負けないように必死で仕事をした結果、昨年本社に一番近い支社ではあるが主任という肩書きをもらい、忙しいながらも充実していた。  そう、恋も仕事も…  あやちゃんは、本社にいるころ短大をでて配属された部署が同じで私はあやちゃんの教育担当だった。見た目はお人形さんのようなクリクリの目と抜群のスタイル、髪はおさえめな栗色で同じ女子でもいつも見惚れてしまうような子だ。  それに加え、気が利くし、仕事覚えも早く、さらに私の大好きなお酒も強いということで、更に可愛さがまし仕事でも、プライベートでも遊びに行くくらい仲良くなった。  昨日は急な本社からの呼び出しに、残りの仕事を休日出勤確定だなぁと思いながら本社に向かった。久しぶりの本社はやっぱり気持ちが上昇して、以前お世話になった部署に会議前に顔だした。 「ゆう先輩ー!!」 というかわいい声に目線をむければ、あやちゃんが入り口まで小走りできてくれた。 あまりの可愛さに、ついナデナテしてしまいそうになる。  「お疲れさま~」   「お疲れさまですー。先輩今日会議入ったんですよね?終わった後、久しぶりなんでご飯いきませんかー?」  「あれ?週末なのに彼氏いいの?」 あやちゃんにはどこかの金持ち彼氏がいて、束縛が激しいとかなんとか言ってたような?  「いいんです!いいんです!   あんなヤツ、当分無視です!」 何があったかはわからないが、ご立腹のようなのでそっとしておこう。    「じゃあ、19時には終わると思うから下のカフェで待ち合わせでいい?」  「はい!了解です。先輩会議頑張って下さいね~!」  
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