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「あっ、あの!」
西山さんが私達に気づいて、淳也の隣に並んだ。
途端に、胸がズキっと痛んだ。さっきまで私の場所だと思ってたとこに、彼女が居ると、現実をみせられてもう私の居場所じゃないんだなぁと思ったら、鼻の奥がツンとした。
「なんで、あんたがそこにいんのよ!!!」
地を這うような、低い怒りの声が私の後ろから聞こえてきた。
「あんた、何様?!
山崎さんはゆう先輩と付き合って るって知ってるよね?
知っててなんであんたがそこにいるのよ?頭おかしいの?
そんな何も知りませんって顔で堂々と、よく人の彼氏の隣りにいれるよね?だから仕事もできない、気も利かない、バ…
「鳴海!!!!!」
私の怒鳴り声に、あやちゃんが肩をビクッとした。ごめんねあやちゃん、私の為に嫌なこと言わしたね…
こんなバカ男のためにあやちゃんが傷つく必要ないから…。
二人の方に向き直すと、淳也は情けない顔で、西山さんは下を向いていた。
あやちゃんとはまた違う美人さんで、清楚な感じのワンピースが似合う可憐な感じの西山さん。年中できる女仕様のスーツばかり着ている私とは正反対だ。
「もう、終わりでいいですよね山崎さん?これ以上失望したくないんで…。 さようなら!」
最後まで気丈に振る舞えただろうか?小さなプライドが二人の前では絶対泣かないと、動揺さえ悟られたくなくてゆっくりあやちゃんの方を向き歩き出した。
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