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冷え切って震えていた体が、さっきまでとは打って変わって、汗ばむほどの熱を放ち始めた。
こんな風に相手に快感を押しつけ合いながら、肉欲にふけり溺れながらも、頭の芯にずっと苦悩と恐慌がこびりついたまま、離れない。
お互いに分かっている。
この行為が、ただの誤魔化しでしかない事なんて。
分かっていても縋らずにはいられないほど、私たちは追い詰められている。
すっかり力の入らなくなった私の腰を引き寄せ、ゼロさんがひたりと怒張を押し当てた時だった。
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