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「お前らな…」
向かい合ってポーズを取り合い笑う歩と梓に対して沸き起こる契一の怒気を静めるかのように最終下校の鐘の音がスピーカーから流れた。
「あっ!最終下校のチャイムだ!帰ろうよ!」
梓は浮き足立ち机の上に置いた自分の鞄を手にした。
「今日はここで終わりだな」
契一は白い布を被せイーゼルごとキャンバスを持ち上げて美術室の奥へと消えた。
「片付けがあるからお前ら先に昇降口に行っててくれよ」
イーゼルや見慣れた石膏が置いてある奥の部屋から戻って来た契一を残して歩と梓は廊下へと出た。
「あっ…そうだ教室に鞄を置きっぱなしだった、先行っててくれ」
歩は階段を一段飛ばしで下り二階の教室へと向かった。
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