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Re:Hello my Friend
梅雨が明け日に日に肌を刺す暑い日射しは強さを増して。
蓊鬱と生い茂る草木から仄かに薫る草熱れの蒸せる匂いと葉擦れる夏の足音に耳をすませば梓は夏を実感した。
日射しを遮る白いレースのカーテンが風に揺れると同時に椅子に浅く座り。
背筋を伸ばして凛々しく澄ました顔で遠くを見つめる梓の背中まで伸びた長い黒髪が風を帯び舞った。
「今日もあっついよなー」
ドアを開けた歩は粛然とする美術室の雰囲気を肌で感じ、そっと静かにドアを閉めた。
窓際に置いた椅子に座る梓を見ながら帆布のキャンバスに梓を描く契一の後ろに立った。
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