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「ケイはいつも夏休みの最初の一週間で大体の宿題を終わらせて」
「最終日に焦って泣きながら宿題をする夏休みの醍醐味を一度でも良いから味わうべきだ」
腕を組み目を閉じて小学生の頃を思い出す歩は小さく何度も頷いた。
「ププ…」
右手で口元を隠すように押さえて梓は吹き出すのを堪えた。
「歩、泣きながら宿題してたんだ…プッ」
「ち、ちげーよ!例え話だっ!」
赤くなった顔を隠すようにそっぽ向く歩の横顔を梓は必死に堪えるも吹き出して笑った。
「電話で泣いて俺に宿題の答えを聞いたのは誰だっけか?」
ニヤリと笑みを溢した契一の顔に歩の頬が更に赤みを帯びた。
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