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長い沈黙がクラス全体に流れた。 「なんだ今の」 その沈黙をまずそうな顔で払ったのは原因ともなる龍だった。 弥生は何故だか彼女の言うことが本当で、恐ろしいものだと感じた。 「面白そうなやつが入ってきた」 そう呟いたのは鈴村琴音。女子の中心という階級に立ち、弥生と同じ、"平凡"な日常に飽きていたひとりの女子生徒だった。 その呟きを聞いたクラスが全員鈴村へ顔を向ける。彼女の囲いたちは「そうだね」「楽しそうだね」と意味不明な発言で彼女の呟きを肯定すると、誰かが違う話題を振った。 何もなかったかのように無理矢理普通を演じる。 それが集団で、人間の『回避』という心理だ。 チャイムが一限目の始まりを知らせ、教論が入ってくると、朝のことに触れる生徒は誰もいなかった。 いや、実際はみんな思っていたはずだ。 気味が悪いと。恐ろしいと。
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