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「何か勘違いされてませんか?貸すのではありません。差し上げると申してるのですよ。もちろんタダって訳ではありませんが、返す必要もないです。田上さん・・・。」
「はい」
「私と勝負をして下さい。簡単なゲームです。私が負ければあなたに5000万円差し上げます。これであなたは何も悩む必要はありません。」
「勝負・・・ですか?どんな勝負ですか?」
俺は恐る恐るだが聞いた。
正直どんな勝負かも分からない。でも勝てば俺の借金はなくなる。例え嘘だとしてもやるしかないんだ。
「勝負をするか、しないか。どちらですか?勝負の内容は田上さんの返事を聞いてからです。安心して下さい。何も危険ではありませんよ。」
相変わらずこの男はニコニコとしている。
似合わなかった麦わら帽子もどことなく馴染んで来て違和感すら感じない。
俺は迷ってる場合じゃないんだ!
「やります。」
「そうですか。勝負はこれです。ご健闘をお祈りします。」
男はそう言って上着の内ポケットからトランプを出した。
「これは先ほどコンビニで買ったただのトランプです。これで勝負をしましょう。」
そう言って男は勝負の説明を始めた。
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