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「光輝、吐き出して、いますぐ!」
焦って涙ぐむわたしをよそに、光輝からゴクリと何かを飲む音が聞こえる。
チェリーの種しかない!
わたしは真っ青になりながら、
光輝の手からチェリータルトを奪い取ろうとしたが、それは光輝の手によって阻まれた。
「光輝ごめんチェリー種とりわすれたみたい」
光輝は気にすることなく、次のタルトを口にする。
「光輝!」
もぐもぐと食べ終えて、にっこり微笑む。
「光輝の誕生日なのに」
消え入りたい心境とはまさにそれだった。
その時、無口な光輝が手で招くので近寄ると、キスをされた。
しかもカスタード味のキス。
「光輝!」
恥ずかしくて叫ぶと、光輝はニヤリと笑って
「ごちそうさま」
そう嬉しそうに言った。
わたしは真っ赤になりながらも、
口をパクパクさせた。
タルトは失敗したけど、光輝の心にはわたしの想いが届いたみたいです。
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