第1章

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「えっ……?」 うそ、私の上靴が、ない。 驚きつつもどこか冷静な自分にまた驚く。 でもこれは分かりやすすぎるだろう。 これには心当たりがあったから。 ……どう考えても、 「…河内だ。」 「俺がなにか?」 「きゃあっ?」 いきなりすぐそばで聞こえた声に驚いて振り返る。 なんだか今日は驚いてばかりだ。 「朝から人の顔見て悲鳴あげるなよ。」 「………。」 あげたくもなる。 今ちょうど悩んでたことの元凶なんだから。 「なんだよ?」 「べっつにぃ~?」 不審そうな顔をする河内にわざと憎たらしく答える。 「さっ!もう行かないと遅れるよ! ほら行って 行って!!」 そう言うと無理やり河内を追い払った。 こんなの河内にさとられるわけにはいかないもん。
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