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「えっ……?」
うそ、私の上靴が、ない。
驚きつつもどこか冷静な自分にまた驚く。
でもこれは分かりやすすぎるだろう。
これには心当たりがあったから。
……どう考えても、
「…河内だ。」
「俺がなにか?」
「きゃあっ?」
いきなりすぐそばで聞こえた声に驚いて振り返る。
なんだか今日は驚いてばかりだ。
「朝から人の顔見て悲鳴あげるなよ。」
「………。」
あげたくもなる。
今ちょうど悩んでたことの元凶なんだから。
「なんだよ?」
「べっつにぃ~?」
不審そうな顔をする河内にわざと憎たらしく答える。
「さっ!もう行かないと遅れるよ!
ほら行って 行って!!」
そう言うと無理やり河内を追い払った。
こんなの河内にさとられるわけにはいかないもん。
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