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舜平の髪は雨に濡れ、シャワーを浴びた後のように濡れていて、シャツがぺったりと服に張り付いていた。
舜平が麻莉の姿を見ると、戸惑ったように目を逸らした。
麻莉の服も舜平と同じようにびしょぬれで、薄い白いシャツが雨で濡れて透けてしまい、水色の下着がくっきりと見えてしまっていた。
麻莉は自分の恰好に恥ずかしくなりながらも、この状況で舜平を誘えば、舜平は今日、このまま帰らずに、一緒に居てくれるかもしれないと思ってしまった。
(舜平さんを帰したくない………)
麻莉は舜平の濡れた腕に静かに手を伸ばして、触れた。
舜平は少しビクっとして、麻莉の方に振り返った。
「………抱いて……」
麻莉は舜平の目を見て、そう言った。
舜平は麻莉の言葉に戸惑いを一気に捨てたかのように、麻莉に手を伸ばして、激しく唇を塞いだ。
そして、そのまま助手席のシートを押し倒して、麻莉の上に覆いかぶさる。
麻莉は激しいキスを受け止めながら、舜平の濡れた背中に手を伸ばした。
こんなにも悪い感情があるなんて……。
舜平の欲情を利用して、引き留めようとするなんて……。
なんて濫りがわしいんだろう。
舜平と舌を絡ませながら、麻莉は舜平の濡れた服の裾から、手を中に入れ、直接、舜平の地肌を手で這わせた。
舜平の濡れた服は冷たかったが、舜平の肌は温かい。
麻莉は地肌の温かさを求めて、服の中の手を上へ上へと進ませる。
麻莉の手が進んだことに気付くと、舜平はキスを中断して、上着を一気に脱いで、後部座席に投げた。
(……ドキン)
舜平の上半身が一気に裸体になり、麻莉の鼓動が鳴る。
「麻莉も服、冷たいだろ?脱ぐ?」
舜平にそう言われ、麻莉は少し恥ずかしくなった。
雨が車の窓に打ち付けて、外からは見えにくいとは思うけれど、まだ夕暮れ時で外は明るくて、雨が弱まれば、外から見えてしまうかもしれなかった。
でも、濡れた服は冷たくて、ペッタリと身体に張り付いて気持ち悪かった。
(舜平さんの肌を直接感じたい……)
麻莉は戸惑いながらも、脱ぐ決心をして、舜平に頷いた。
「じゃあ、見てるから、自分で脱いでみて………」
「………っ」
戸惑って頷いた麻莉を更に戸惑わせることを舜平は言った。
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