敵わない相手 ~引き留めるための前戯~

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麻莉が舐め始めたことを確認すると、舜平は沈んだ手を再び動かし出し、感じやすい場所を探り当てて、快感を導こうとする。 「あっ…あぁぁぁあっあん」 麻莉はまた口が離れてしまい、刺激に喘いた。 「麻莉…。ほら、また休んでる」 「だ、だって……。刺激が強すぎて……あぁあっん!」 口答えをしようとした麻莉を舜平は言えなくなるように、指を動かした。 そして、また刺激を止めた。 「どっちが先に音を上げるか、試してみよっか?」 舜平がイタズラっぽい声で提案した。 その挑戦に麻莉は不利だと思ったが、そういう風に煽られると、どことなく負けたくないという感情が芽生えた。 麻莉は、また舜平のものを口に咥え、舐め始める。 「……んっ。俺も負けないよ」 舜平は麻莉が与える刺激に喘ぐような声を出した後、そう言う。 そして、麻莉を刺激し始めた。 「………んっんんっ」 麻莉は喘ぎながらも、口から舜平のものを外さずに、刺激の合間合間で、負けじと口を動かす。 唾液で濡れた手を口と一緒に動かして、舜平のものを包み込むだ。 そしてゆっくりと舐め上げる。 車内で2人の覆い被さり合いながら、互いの刺激を探り合った。 舜平の手の動きは、この体制だと自由が利かなくて、いつもならすぐに導いてくれる快楽には辿り着けない。 焦らされ続ける麻莉の子宮は疼いて仕方なくって、今、口に含んでるものを早く中に沈めたくなってしまう。 舜平のものは麻莉の口の中で、硬く強く背を伸ばし、これを麻莉の中に沈めたら、どんなに気持ちいいだろうと麻莉は思う。 そう思うと、さらに子宮がうずく。 (舜平さんのものが欲しい……) 麻莉は欲しくてたまらず、無我夢中で舜平のものにむしゃぶりついていた。 「……んっんんっ。麻莉、待ったっ」 舜平は麻莉の中から指を抜いて、運転席のヘッドレストに頭を投げ下ろした。 麻莉は口に咥えたまま、運転席に頭を戻した舜平の顔を見た。 舜平が先に音を上げたのだった。 舜平のものを口に含んだまま、舜平と目が合う。 「麻莉のその顔も、堪らないね……」 舜平は降参したような顔をする。
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