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やっと始まった肉弾戦に、会場内の熱気は一気にあがる。
鳴らされる口笛、踏み鳴らされる靴。
賭けはまだ続行中だ。
東洋人のひ弱さを見せ付けられた客たちは、次々とマウンテンゴリラたちに金をつぎ込んでいった。
胴元もそれを満足そうに見ている。
そして、
「アレックスに１０万だ」
東洋人を吹っ飛ばしたゴリラに金を乗せ、ベット（賭け）の終了を告げた。
瞬間、高広が咥えていたタバコの端がピンとあがる。
口角がゆっくりと上を向いていく。
「にひ」
高広は不敵な笑みを浮かべると、
「保、もういいぞ！」
檻の中の東洋人に声をかけた。
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