動揺

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そうして皆でやってきたのは、海中の温度が適度に暖かくて、それでいて、人間が魚を捕りに来るギリギリ手前の場所だった。 『ここで、状況が落ち着くまでひと時を過ごしましょう。この海域の仲間には、事情を説明してあるから、人間にさえ気を付ければ安心して過ごせるはずですから。』 そう言ったのは、群れのリーダーのおばあ様。 だけど私は、あの場所に置いてきてしまったリンが気がかりで、その話の間も気が気じゃなくて、ずっと後ろを振り向いてはリンが来ないか気にしてばかりいた。
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