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目の前には人々で賑わうあのナンセンスな町…。
そして隣には村で唯一大親友のメロ…。
僕はポカンと口を開けメロを見つめて問いかけた。
「ねぇメロ…。どうして僕達ここにいるんだっけ?」
するとメロは少し呆れた顔でこう言った。
「どうしてって、僕達の村を王国の税金と言うものから守る為だろ?」
いやいやちょっと待て!
僕は確かショーンじいさんから隣の島にある薬草を買ってきて欲しいと言われて。
足の悪いおじいさんの為に港から船に乗ったはず…。
「あれ?おかしいな…。」
僕が記憶の整理をしているとメロがため息を吐いて、ここまでの経緯を話してくれた。
メロは、もともと冒険家を目指していたが家族の事情とお金の問題があって、なかなか島を出ることができなかった。
そんな時、村に王国から通達が届き、村長がその内容に驚き、白目を向き泡を吹いて倒れたという。
その内容は、税金の長期滞納でその額は結構凄かった。
村人たちはある疑問を王国の兵士に問いかけた。
《私達は毎日汗水流し、税金も村長にきちんと渡していたし、滞納したことすらない》
と、そしてそのとこを聞いた兵士は、ある罪状書を取り出し村人たちに無言で見せた。
その内容は、
村長のジェノスは、村人から王国に捧げる税金を集め、それを王国には捧げず己の欲の為だけに使い村人達に不正な労働をさせていた。
よって村長ジェノスは王国で引き取り、裁きを下す。
尚、未払いの税金は村長ジェノスの裁きが終えた後ジェノスの家、持ち物、財産を全て没取し
調整を行なって通達する。
そして、村人には責任を課せ。
村から2人の若い冒険家を必ず出すこと。
というものだった。
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