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そして僕は、そんな事も知らずに家に帰った。
するとメロと、僕を引き取ってくれたショーンじいさんがいて、2人で港に止まっている船に乗り薬草を買ってきて欲しいと言われ布のバックを持たされ、港に行き大きな船に乗った。
船に乗った僕は船酔いをして寝込んでしまった。
「と、言うわけさ。」
メロは少し申し訳なさそうな顔で僕に話した。
「なっ…なぁ~メロ?一つだけ聞いていい?」
僕は物凄い違和感が心に残っていた。
「うっ、出来れば何も聞かないでほしいかな…。」
メロは頬っぺたを指で掻きながら目をそらした。
僕は分かりきっている答えをしっかり確認する為に、ため息を吐いてメロに言った。
「僕はあの時、森で本を読んで家に帰ったらメロがいた。あの時ショーンじいさんと何の話をしたんだい?」
僕はメロに近づきとても意地悪に問いかけた。
「えっ~と……。」
メロの顔には冷や汗が垂れていて、目はあちらこちらに泳ぎまくっていた。
「僕達って友達だよね?親友だよね?心の友だよねっ?」
僕は少しずつ声のボリュームを上げ、グイグイと顔を近づけた。
メロは体を後ろに反り、腕を組んで頭から火を噴きそうな僕に落ち着いてと言わんばかりに両手を前に突き出していた。
「わっ、分かった分かった!ちゃんと全部話すからその圧力やめてぇ…。」
僕が前のめり姿勢をやめるとメロはホッとした顔をして、観念したらしく僕にショーンじいさんとの会話を教えてくれた。
「ショーンじいさん??レオニールいる?」
「おぅおぅメロではないか、レオはいつもの場所じゃよ。」
「わかった!ありがとおじいさん!」
「あぁ~ちょっと待ってくれメロ、お前さんに大事な話があるんじゃ。」
「?」
「お前さん冒険家になりたいと言っておったじゃろ?」
「うん!そうだけど…。」
「今、港にいる船に乗ったら王国に行けるんじゃ」
「えっ??本当?」
「あぁ、本当じゃ。でもなぁメロ、あの船は一人じゃあ乗れないのじゃよ…。」
「ショーンじいさん!誰とだったら乗れるの?早く行かなきゃ!」
「まぁまぁ落ち着きなさいメロよ。あの船はお前さんが心から大事にしている友と一緒じゃないと乗ることはできないんじゃ…。」
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