第1章

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俺の親戚のつかさ兄ちゃんは料理人になりたかったらしく、気づいた時にはフランスへ料理留学していた。 まぁ修業だね。 夏休み、つかさ兄ちゃんの家に行く。 墓参り。 留学しているはずのつかさ兄ちゃんがいた。 留学はどーした?って疑問は残るが、俺が子供だったせいか、遊んでもらえる嬉しさが上回りその質問はしない。 フランスの話をなんとなく話される。 フランスのお金も見せてもらった、子供ながらに外国のお金だし、珍しくてすげー触ってみる。 そんなこんなでお昼ご飯の時間。 『さぁ、本場のフランス料理でも作るかい!』 ってつかさ兄ちゃんが張り切って立ち上がる。 本場を味わえるチャンスがきた。 フランス料理がどんなもんかも分からないが、ウキウキする。 でも時間がかかるらしく外でキャッチボールして待つ事に。 『おーい!できたぞー!』 本当に腹ペコだった俺は楽しみで仕方ない! 出てきたのは、パスタだった。 フランスとイコールで繋がるかは疑問だが…。 ペペロンチーノ、ナポリタン、タラコ、カルボナーラ、の4種類! ナポリタン以外食べたことがなかったのでウキウキは絶頂に達する! そして俺がチョイスしたのは『タラコ』だった! 理由は近くにあったし、なんか高級感があった。 母さんも同じ事を考えてたのか、小皿入れてる。 俺もモリモリ盛る! 『じゃつかさ兄ちゃん!本場を食べさせてもらうわ!』 『あれ?不味い。なんで?』 母さんとも目が合う。 『やっぱり不味いのか?』心の中で問いかける。 これが本場の味なのか? 色々な疑問を残し完食。 この先トラウマになり、社会人になるまでタラコスパゲティを食べなかったのは言うまでもない。 そして母さんとこの話をするのも10年以上経ってから。 それほど幼い俺にとって衝撃的な事件だったが、あの『不味さ』は今だに未解決。
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