第13章 目覚めたミツバチ

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部屋を見渡し天井を仰いだ。 「これが本当の僕だ」 ごちゃごちゃしたサイドテーブルの上から 黒縁の眼鏡を探し出すと 慣れた手つきでそれをかけてみせる。 「用のない日はいつだって、ここでこうして漫画を読んでる。ダサい眼鏡をかけて、子供みたいにスナック菓子片手にね」 ――本当だ。 ベッドの片隅には お菓子の空き袋が投げ捨てられていた。 「残念だけど――君が憧れるような男じゃない」 初めて見せる 自嘲気な笑み。 これが僕の愛した男の正体――。
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