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「――入れよ」
すぐに触れようとするのは不安だから。
「嫌だ」
今度は僕が笑う番。
「こんな時間に押しかけてきてからかってるのか?」
動揺に
思いどおりにならない苛立ちが混ざり合う。
「違うよ。知りたいんだ!」
半ば怒鳴りつけるように
僕は彼の襟首を掴んだ。
「どうして僕を欲しがるの?」
「な……?」
からかわれてるだけなら僕だって
きっとこんなに本気になりはしなかった。
ズルい瞳の奥に
愛情が見え隠れするから
「僕が欲しいなら敬意を払ってよ!」
狂ったように苦しくなるんだ。
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