第13章 目覚めたミツバチ

6/25

141人が本棚に入れています
本棚に追加
/25ページ
「――入れよ」 すぐに触れようとするのは不安だから。 「嫌だ」 今度は僕が笑う番。 「こんな時間に押しかけてきてからかってるのか?」 動揺に 思いどおりにならない苛立ちが混ざり合う。 「違うよ。知りたいんだ!」 半ば怒鳴りつけるように 僕は彼の襟首を掴んだ。 「どうして僕を欲しがるの?」 「な……?」 からかわれてるだけなら僕だって きっとこんなに本気になりはしなかった。 ズルい瞳の奥に 愛情が見え隠れするから 「僕が欲しいなら敬意を払ってよ!」 狂ったように苦しくなるんだ。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加