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「抱いて――今夜」
両腕を白河さんの首に回して
耳元に顔を埋めたまま囁いた。
「本気で僕を抱いて下さい……」
和樹のウイルスは強烈で
息遣いまでが完璧に様になる。
「ああ……」
彼の体温が
一気に上がってゆくのが分かった。
「白河さん……僕が欲しいでしょ?」
もう一押しだ――。
僕の指先は羽をもった蝶のように
ふんわりと広がって。
「言って」
憂いのある眼差しをお供に
彼の頬にそっと着地する。
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