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そんな時に助けてくれた男性を想うくらい、誰だってやらないだろうか。
それなに、友部さんはその時間すら仕事にあてろという。
優秀なバーテンダーの友部さんと私は違う。
友部さんと私は全然違う。
仕事に関しても、恋愛でも。
私はうっすら涙が出てきたので、ヤバイと思った。住宅街を少し歩きながら、私を知っているお客様がいるかもしれないと、慌てて踵を返して店に戻ることにする。
(結局、泣く事も出来ないの)
心が悲鳴をあげそうで、ぎゅっと押しつぶされる思いで、涙をごしごしと服の裾で拭きながら、店のドアを開けた。
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