置いてけぼりなアラサー女子

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 きっと、何か勉強してると思う。  佐々くんは目の下にクマを作っていた。 「あ、クマ」 「ああ、やばい。また彼女とアレですから」 「それ、嘘でしょ?」  私がチラと睨むと、佐々くんは頭をぽりぽりと掻いた。 「なんで分かったんですか?」 「友部さん」 「え。言ってないけどな。あ! オーナーから聞いたのかなあ。くそお」 「で? 勉強してるの?」  すると言い難そうに「英語を」とボソリと呟く佐々くん。  どうして恥ずかしがるんだろう。  私なんて寝て起きて仕事して、また寝ての繰り返しなのに。  
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