置いてけぼりなアラサー女子

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「違いますよ、転職っす」  小声で周囲を伺う佐々くんのその一言に、打ちのめされた。  知ってたこととはいえ、いよいよ年下の佐々くんまで本腰を入れて仕事に打ち込み始めたのだから。彼女との結婚の為に、時間も惜しまない状況なのだろう。 「凄いね」 「外資系ホテルなら、もっと給料良いかなと思って」 「あ」 (取り残されたかも)  私はレストランアポロで良いし、きっといつの間にか結婚して辞めるだろうから、上なんて目指す必要もないと、勝手に想像していた。  きっと今のメンバーもずっと一緒だろうし、楽しく出来ればそれでいいと、勝手に思っていた。
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