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さんさんと降りしきる、真夏の太陽光。
青く澄み渡った空には、もくもくと白い大きな入道雲が、まるで綿菓子のように浮かんでいる。
ぶかぶかだけれど、お気に入りの赤いリボンのついた黄色い麦わら帽子を被り、母の優しい声に送られて、幼い私は元気いっぱいに駆け出す。
はあはあ息を切らし庭の生け垣を抜け、道路を一つ越えて小さな林の坂道を抜ければ、そこは私のお気に入りの散歩道。
田んぼの青い稲穂が、森を抜けてきた少しだけ秋の気配を含んだ乾いた風に煽られて、サワサワと微かなメロディを奏でながら楽しげに揺れている。
むせ返るような青い草の匂い。
咲き誇る小さな名もない草花たち。
遠く近く忙しなく響く、みんみん蝉の声。
全てが新鮮で、全てが懐かしいその風景。
私を呼ぶ優しい声に、振り返ればそこには――。
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