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午前7時に携帯電話のアラーム音が鳴った。
茶目っ気もなにもない、アラーム音だ。
私はこの音が嫌いだ。
だが、いちいち流行りのヒップホップだかなんだかに変更するぐらいなら
私は当たり障りの無い事のほうがよっぽど気が楽である。
起こされる事が嫌いなのだ。
結婚して3年、いつものように一人で起き
キッチンの換気扇の前でタバコを吸う。
窓の隙間から風が入り、私はぶるっと体を震わせる。
その拍子にタバコが足の甲に落ち
「あっつ・・・」となりイライラした。
最近はついていない、仕事でも周りは愚痴ばかり
上司やお偉いさん方々は無駄な会議に現場を忘れ
やる気のない若者に挟まれ
新人社員の胸のでかいゆかりという可愛い子は、ロックが好きなロン毛の彼氏がいて
結婚するからと言って一週間で退社
家に帰れば女房はTVの中のなんちゃらさんに夢中
無言で眠る二人
出会った頃はあんなにも燃え上がっていたのに
布団が今じゃ冷たい雑巾のようだ
私の人生は一体なんなんだろうかと思うほどだ。
などと、たばこを二本吸い終わる頃にはため息と煙を吐き出していた。
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