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その日の夜、不思議な夢を見た。
薄暗い夕方、生暖かい風が吹いている。
オレは見たことのない廃校の小学校の校門に立っていた。
ただ学校を見つめて。
ジリリリリリ
目覚まし時計が鳴り響く。
「はぁーー。」
「まなぶー!学校遅れるよ!早く起きなさい!」
「やべっ!」
いつも早く起きるのだが今日はぐっすり寝ていたらしく時間ギリギリだった。
オレはご飯を食わずに慌てて原付で学校に向かった。
今日も梅雨には珍しい青空が見える晴天。
オレの学校は山形県の山形市内にある大学。
家は学校から原付で20分ぐらいの距離にある。
オレは学校に着くと早速友達に昨日の動画のことを聞いた。
だが動画は観たらしいが声が聞こえたとはかなかった。
やっぱりあのコメントは嘘かな。
また投稿されてないか確認してみよ。
そんなことを思いながら家に帰った。
「ただいま。」
「おかえりー。」
母はいつも仕事から帰るのが早い。
階段を登り二階の自分の部屋に入ると何か違和感を感じる。
「お母さん!部屋掃除した!?」
「勝手入るなっていってるからそんなのするわけないでしょ!」
二階から大声で母に質問したが違った。
不思議に思いながらも椅子に座りパソコンを起動させいつもの動画サイトに。
ランキングには昨日と同じ1分間の動画が投稿されていた。
ワクワクした気持ちで動画を再生。
とその前にコメントを確認してみよ。
「ん~。」
コメントは昨日とは別に全部が何も映ってないことにたいしての批判のコメント。
「まあとりあえず観てみるか。」
カチッ
>再生
・
・
・
「かえして」
・
・
「お願いだからかえしてよ」
・
・
Ⅱ停止
「マジか・・・」
画面は真っ黒で昨日と同じかと油断していたが、予想外に声が聞こえてしまい驚きで数秒間黙りこんだ。
その声は小さな女の子の弱々しい声だった。
「いやいやいや、ないない。」
自分の聞こえたものを否定しもう一度確認のため再生を押す。
『この動画は再生できません』
「え?またか。」
ちょっとなんか遊ばれているような気分で腹が立つ。
だけどなんだか怖い話を聞いている時と同じようなドキドキ、ワクワクした気持ちが湧いてきてとても快感に感じた。
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