30人が本棚に入れています
本棚に追加
「私の神たる所以──それがこの『創造』の能力です」
「……えっと……。なに? マジで……神様?」
目の前で起こった事に対する驚きから、率直に思った事を──まだ半信半疑だが──そう質問してみる誠都。
「Exactly(その通りです)。私こそが、〝創造神〟エリーゼです」
「『創造神』? それってもしかして、この世界を創造したとかっていう、あの……?」
多少曖昧にだが誠都はそう記憶している。
「そうですよ。私が存在しなかったら、この地球には未だに国すら無かったでしょうね」
自ら創り出したメロンパンを片手にエリーゼ。
誠都は、ただ信じられなかった。
目の前でメロンパンを頬張り始めた彼女の言葉が本当なら、自分はいま、そんな絶対的かつ圧倒的に偉大な存在を目の当たりにしているというのか。……威厳の有無はさておきとして。
『エリーゼ』という名前の神なんて存在したかは分からないし、にわかには信じがたい話だ。
だが、しかし実際にさっき彼女がメロンパンを創造したところを──言わば“人智を超えた力”を、誠都も目の当たりにしている。
──なので、完全に疑いきれないのもまた事実ではあった。
最初のコメントを投稿しよう!