第1話:僕と未知との遭遇

15/20
前へ
/43ページ
次へ
 そして、エリーゼは── 「────その発想は……なかった…………ッ!」  …………………………。  それは、予想の遥か斜め上をいくレスポンスだった。  やはり年齢を重ねただけの年の功(笑)をもつ大人もいるのだ。誠都は今日それを悟った。  同時に、こんなヤツが世界を創造したのかと思うと、やるせない気持ちでいっぱいだった。 「……誠都さん、なぜでしょう……。今どこかで侮辱された気がして、突然やり場のない怒りが沸いてきました。こんな時どんな顔をしたらいいか分からないんです……」 「笑えばいいと思うよ」  あと地の文を感知しなければいいと思うよ。  心の中で誠都はそう付け足した。  世の中には、知らないほうが幸せなこともあるのだ。たとえば、世界を造り上げた創造神が、実はとんでもなくアホなヤツである事とか。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加