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5月22日。月曜日。
時間としては午後11時半頃のこと。
涼しく心地よく感じられる夜風をうけながら、湯月(ゆつき)誠都(まこと)は夜道を歩いていた。
そんな時間に出歩く理由は単純。ふと小腹が空いた誠都は、ちょっとした物でも買おうとコンビニへ足を運ぶことにしたからだ。
家から出発して5分かそこらで、薄暗く人通りの少ない路地に差し掛かった。そこを抜けたなら、目的地の「HIGHSON(ハイソン)」というコンビニにまで、あと1分もしないうちに着くだろう。
家から徒歩で行ける距離にコンビニがあるのは何かと助かるものだ、とコンビニ厨の誠都はしみじみ思う。
と。
歩を進めていた誠都は、異質な光景をようやく視界に捉えた。
無論、誠都が気付く以前から“それ”は存在していたが、外灯の灯りも無い周りの薄暗さ故に誠都は気付くのが遅れたのである。
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