第2話:僕と女神と幼なじみ

2/8
前へ
/43ページ
次へ
 翌朝。  女神という存在と遭遇した翌日である今日も、いつも通りの7時にいつも通りの電子音(アラーム)で僕は目を覚ました。  ちなみにアラームには、心に刻んだ夢を未来さえ置き去りにして放つような曲を設定してある。  いや、そんな事はどうでもいいか。  とりあえず携帯のアラームを止めて眠気の余韻を振り払い、覚醒しつつある脳で意識を現実へと引っ張る。 「おや、お目覚めですか、マイダーリン」  と。  上体を起こし、重い瞼を開いた僕の耳朶をうったのは、かわいらしく聞き心地がよいクリアな声。 「誰がダーリンだ愚か者」  昨日までなら寝起きの僕に声を掛ける者はなかったが、その声は昨夜さんざっぱら聞いた声なので、僕はその声を聞くだけで条件反射のようにツッコんでいた。  その声の主に寝起きでもしっかりとツッコミを欠かさない辺り、もしかしたら僕は、ノリが良いというよりかはツッコミ気質と言ったほうが正しいのかもしれない。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加