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で、僕にそんなツッコミをさせたのは、言わずもがな昨夜出会ったエリー何とやらである。
「そこまできたなら最後まで言って下さいよ。あと1文字じゃないですか……」
「え、いきなり誰に何を言ってんのお前。どうした?」
「こういう時だけ地の文を感知できないスタイルでいくとか……汚いですねさすが誠都さんきたない」
バカみたいなやりとりだが、僕はなぜかそれがお馴染みとなってる感が否めない。
そう、例えるなら10ページ以上はコイツと一緒にいたような……。
あれ、なにワケのわからん事言ってんだろ僕。
「……誠都……おはよう……」
「ん、おはよう」
……ってオイ、ちょっと待て。
今この場には、僕と、馬鹿という名のエリーゼしか居ないハズだ。なのに、なんで僕は普通に挨拶を返しているんだ。
……まあ、今しがた僕に挨拶をしてきた少女の声が、実は聞き慣れたものだったからなんだが。
「……またウチに勝手に入ってきたのか、叶日(かなひ)」
僕は呆れ気味に、僕の机に行儀悪く座っている叶日──霊合(たまあい)叶日にそう言った。
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