第2話:僕と女神と幼なじみ

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 霊合叶日。彼女は、僕の幼なじみである。  しかも、家が隣同士であるため、叶日はよく僕の家に侵入してくる。  「おはよう」から「おやすみ」まで、叶日はだいたい僕の近くに居る。つまり、オールウェイズ叶日なのである。  しかし。叶日は、見た目は美少女である叶日が入ってくるのは精神衛生上たいへんよろしくない。  あ、ちなみに髪型はツーサイドアップで、エリーゼが「キレイ」系なら、叶日は「可愛い」系だ。叶日の髪はなぜか銀髪だが、不思議と普通に似合っている。  イメージとしては、『Angel bea◯s!』の立華奏や、『おと◯り恋戦争』の白川蛍が大体近いかな。  とにかく、幼なじみとはいえそんな美少女がしょっちゅう近くに居るのはアレなので、僕は何度も我が家のあらゆる施錠を試みている。  ……いるのだが。叶日はいつもそれを掻い潜り、僕が起きる時には既に、僕の部屋に居る。  だから僕は、施錠することを諦めた。3日で。  まあ、最初から無駄な抵抗だってのは分かってたんだよ。  なぜなら、合い鍵を持っていないのにもかかわらず、我が要塞に容易く侵入できる彼女は──超能力者なんだから。  念力・発火能力をはじめ、あまねく異能力を使うやつに──平然と瞬間移動をするようなヤツに、果たして壁が何の役に立つというんだ。  ここはむしろ、超能力者を相手に、無駄だと分かりきった施錠を3日もした僕を褒めてほしいぐらいだ。
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