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「……叶日さん……と言いましたっけ。……誠都さんは渡しませんよ?」
「……上等……。……わたしも、年増なんかに負けるのはありえない……」
「(ブチッ)……ほぉーう?」
今、何かがキレた音がした。
「『年増』、とは……随分と“板”い所を突“板”発言ですねぇ。随分と自信ありげなのは、もしや誠都さんは幼児体型が好みだと思っていらっしゃるからですか?」
「……あ゛ぁ゛……?」
あ。叶日もキレた。
お年の割にお胸が薄いことを気にしてる叶日に、『板』だの『幼児体型』の発言は間違いなくアウトだ。殺される。
「……ババア……絶対殺す……」
「かかって来なさい、小娘。次元の違いを思い知らせてあげます」
かくして、『創造神VS超能力者』のドリームマッチが実現した。僕の部屋で。
やめろお前ら自重しろ。
そうは思ったが、この殺伐とした空間の殺伐とした二人に対して面と向かってそう言える勇気は、僕にはなかった。
とりあえず、死にたくないので、僕は着替えを持ってリビングへと避難した。
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