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着替えを済ませた僕が、自分で作った朝食を食べていると、ふたりがリビングへとやってきた。
「所詮は小娘、楽勝ですね♪」
言葉の割にはちょくちょく服に傷があり、この阿呆からは、超能力者との接戦をした跡が窺えた。
「……やっぱり年増……大したことない……」
そう言う叶日も叶日で、彼女の綺麗な銀髪はボサボサになっており、着ている制服もところどころ乱れていた。
しかし、創造神などという規格外と互角に渡り合うあたり、叶日の人間卒業っぷりを改めて実感できる。
「まぁ、つまりは引き分けだったのかお前ら」
「私の勝ちでしたけど?」「……わたしの勝ちだったけど……?」
「どっちだよ」
「……生意気ですよ、小娘。またシバかれたいですか?」
「……年増だからってずいぶん偉そうね……。……わたしも、次は能力を抑えられないよ……?」
お互いに、また睨み合うエリーゼと叶日。
……どうやらこのふたりは、出会って早々に犬猿の仲になったらしい。
喜ばしくない限りだ。
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