3人が本棚に入れています
本棚に追加
「…黎樹、大臣王止めてもまだ迷言言ってるのか?」
いつの間にやら来ていた賀竜が溜め息と共に口を開く。
「賀竜!当たり前じゃないか!」
「おまえは大臣王を止めた。次を指名出来るのは、春蓮だろ?
……それに、大臣王止めて、楼を出て何するつもりだよ?」
「ん?賀竜、何を言っているんだい?
僕は確かに大臣王は止めたよ?
でも、楼を出るなんて一言も言ってないさ。」
周りが静まり返る。
「僕は、春蓮の後見人を務める!…事後報告だ!」
「おまえのは全部事後報告じゃねぇか!
止めた理由も話さないで、何だってんだよ?!」
皆が真剣な顔をして、黎樹を見ていた。
「…そう、だね。理由は簡単さ。
僕は………後、数年の命だからだよ。
残り何年かしかないんだからさ?
この美貌を窶れさせながら政をするなんて、僕の美意識に反しちゃうわけ!
皆の記憶には、綺麗なままがいいじゃないか。」
いつものニコニコした顔で衝撃の事実を語る黎樹。
「……んで、何で今まで黙っていやがった!
俺や春蓮を連れてきた時には分かっていたことだろう?!」
黎樹の胸ぐらを掴み、息巻く。
しかし、すぐハッとして手を離す。
…先程、女と知った気恥かしさからだろう。
最初のコメントを投稿しよう!