黎樹の告白

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「…黎樹、大臣王止めてもまだ迷言言ってるのか?」 いつの間にやら来ていた賀竜が溜め息と共に口を開く。 「賀竜!当たり前じゃないか!」 「おまえは大臣王を止めた。次を指名出来るのは、春蓮だろ? ……それに、大臣王止めて、楼を出て何するつもりだよ?」 「ん?賀竜、何を言っているんだい? 僕は確かに大臣王は止めたよ? でも、楼を出るなんて一言も言ってないさ。」 周りが静まり返る。 「僕は、春蓮の後見人を務める!…事後報告だ!」 「おまえのは全部事後報告じゃねぇか! 止めた理由も話さないで、何だってんだよ?!」 皆が真剣な顔をして、黎樹を見ていた。 「…そう、だね。理由は簡単さ。 僕は………後、数年の命だからだよ。 残り何年かしかないんだからさ? この美貌を窶れさせながら政をするなんて、僕の美意識に反しちゃうわけ! 皆の記憶には、綺麗なままがいいじゃないか。」 いつものニコニコした顔で衝撃の事実を語る黎樹。 「……んで、何で今まで黙っていやがった! 俺や春蓮を連れてきた時には分かっていたことだろう?!」 黎樹の胸ぐらを掴み、息巻く。 しかし、すぐハッとして手を離す。 …先程、女と知った気恥かしさからだろう。
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