破天荒過ぎる稀代の美貌の秀才

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『僕は今日で大臣王を辞める!』 当然の引退宣言を発した。 国民は、いきなりのことに動揺が隠せない。 「黎樹!いきなり何言ってやがる!」 宣言後、怒鳴ったのは賀竜だ。 春蓮はただ黙っていた。 黎樹は構わずニコニコしている。 『次代の王は、ここにいる春蓮で~す!』 「…春蓮。そんな話してたか?」 賀竜の問いに、春蓮は無言で首を振った。 『更に、宰相はそこの賀竜だよ~!』 「!?聞いてねーよ!」 『僕の一存で決めました~☆ミ』 飄々としていて、掴み所がない黎樹。 こんな破天荒ぶりを見せながらも、国随一の秀才。 黎樹の発想は、奇想天外なものが多いが、実際に行ってみると政治にしっくりくる。 …どう、戦をしないですむかが大半なのだが。 順風満帆にいっていればいるほど、反発するものもいる。 文官長(雲稠(うんちゅう))率いる年寄りたちだ。 前王である、賢王殺害容疑も噂されていた。 次こそは大臣王にと目論んでいるのも、知らぬ者はいない。 そんな彼らを黎樹が知らないはずがない。 しかし黎樹はどうして、着任五年で引退宣言をしたのか、謎は深まるばかりである。 春蓮、賀竜の両名もわからないまま…。
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