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煙草を指で挟み、顔の横にずらす。
「…だからね?君を口説きに来たんだよ。」
魅惑的に耳元で囁く。
「んな?!………………え?俺があんたの護衛?!」
顔を赤らめながら、数秒後、黎樹の言っていることを理解した。
「この1ヶ月、色々な人を観察して見つけたんだ、君を。
ある意味、一目惚れだったよ♪」
「…変な言い回しは止めてもらえませんかね?変な気分になるんで。」
「えー?どんな気分?ドキドキしちゃう?」
嬉しそうにニコニコしている。
「…あんたが女なら、考えなくはないが。」
黎樹はニコニコしている。
「…それはスルーすか。」
「ねぇ、君?名前を教えてくれない?」
「………賀竜だ。」
「じゃあ、賀竜♪僕のとこに来てよ。」
「……俺の意志は?」
「嫌だなぁ、無理強いするつもりなんて毛頭ないよ。
…僕には、味方がいない。だから、信頼出来る人を探した。
…………そして、君を見つけたんだ。」
賀竜は、黎樹の瞳が言葉とは裏腹なのを悟る。
「…はぁ。俺のメリットは?」
「そうだねぇ…。"友だち"になってよ、賀竜。」
「へ?"友だち"……?」
突拍子もない申し出に、賀竜は煙草を落とした。
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