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「おかしな奴だったよ。名前言わないし、着てるものも汚くて、臭いし…」
「扉を開けたのか?」
レイフはマックスを振り返った。
「中で待っていいかって言うから…お前の友達だと思ったんだ」
「家に上げたのか?」
マックスは頷いた。
レイフは、キッチンとダイニングの間のカウンター超しにマックスを見た。
「マックス、俺の留守中には身内以外は家に入れるな。何かあったらどうする」
「だって、誰が身内で、誰が身内じゃないなんて分からない」
「追い出すぞ」
「分かったよ、悪かった」
「どんな奴だった?」
「背は…俺より10センチくらい高くて、がっしりしてた。髪はブラウンで短くしてて、目もブラウン…年は…30前後かな…お前のレストランの名刺を持ってて、そこにこの住所が書いてあったんだ」
マックスは何か考えていた。
「誰かに似てるな…え、と…あ、ダイハードに出てた…」
「ブルース・ウィルス?」
「じゃなくて、その息子の役してた人」
「映画は見ないんだ」
マックスは携帯で検索し始めた。
「あ、この人」
マックスは立ち上がると、レイフに携帯の画面を見せた。
レイフはしばらく画面を見ていたが、急にキッチンを出て2階へ上がった。
「レイフ、どうしたんだ?レイフ?」
マックスはレイフの後を追って、リビングから2階を見上げた。
「レイフ?」
レイフの声がした。
「ちょっと待ってろ」
マックスがその態勢のまま階段の下で待っていると、レイフが降りてきた。
写真を持っていた。
「こいつか?」
マックスは写真を受け取って見た。
「あ、そう、こいつ」
マックスはびっくりしたように言った。
レイフは緊迫した。
コナー・ヨークだ。
「何か言ってたか?」
「いや…」
「こいつが入ったのはリビングだけか?」
「そうだよ」
突然、レイフはエプロンを外すとソファーに投げ捨てた。
そしてソファーからテーブル、テレビ、棚をひっくり返し始めた。
「何するんだ」
マックスがびっくりしながら聞いた。
レイフが小声で言った。
「盗聴器を仕掛けられてないか…」
「そんな暇無かったよ」
「コナーはプロだ」
レイフは絨毯までめくった。
「あんな奴がプロだと思えない」
マックスは仕方なく一緒に探し始めた。
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